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産褥うつのこと

マタニティーブルー、もしくは、産後ブルーになる方は結構いらっしゃいます。妊娠、出産後の女性のからだのホルモンバランスは大きく変化します。

そのような急激な変化は精神的にも大きく影響します。なので、妊娠中のお母さん、産後のお母さんが些細なことでピリピリするのはある程度仕方のないことといえます。

それは一過性の変化です。なので、適切な家族や専門職の援助があれば、数日で回復します。

このことは以前の記事にも書いたことと思います。今日は、私のことを書きたいと思います。

私はご存知のとおり助産師です。その私はひどい産後うつの状態になりました。もともと、うつ病を何度か繰り返しており、産褥うつになるおそれは十分にあったのです。それは妊娠中から自分でも理解していました。

私は夫の立会い出産を望んだため、里帰り出産はしませんでした。そして、産後の家事については実の母は仕事の都合上、3日ぐらいしかこれず、誰にも頼ることのできない状況になっていました。でも、なんとか、できると思ったのです。一応知識もあるし・・・

が、知識だけの問題ではないのですよね。みるみるうちにたまる洗濯物。使った食器。完全母乳だったので頻回になく子ども。そして、最悪なことに、知人がまったくいないという環境でした。

夫につらいということを伝えても、何がつらいのかをきちんと言えないのです。なんとなく、でも、かなりつらい、としか。

その状態が2週間ばかり続きました。母乳も出すぎるぐらい出ている。子どももそれほど夜泣きもしないし困っていることもないはずなのに、夕方に授乳するとなぜか泣けてくる。(後ほど、夕方に気分の落ち込みが激しくなるということを知ったのですが)すると、たまっている家事が気になり、自分が何もできないように思う、という悪循環に完全に入ってしまいました。

そして、とうとう、出産して2週間後に私が大泣きして止まらなくなり、さすがにおかしいと思った夫が「実家に帰ったら」と言い出し、急遽実家に帰ることとなりました。

実家に帰ると、落ち着きました。

この出来事を振り返って思うのは私にとっては家事が大きなネックになったということと、近所にまったく知り合いがいなかった、そして、自分が精神的にしんどくなっているということを誰も理解してくれなかったということが産後うつにまで移行した原因だと思っています。

そして、夫は夜勤のある仕事で1週間は夜が不在です。昼は仮眠のため、家事は当然できません。私は夫の援助すら受けられない、たった一人で育児と家事をしていたことになるわけです。

あくまでも私の体験なので、一概にすべての人が当てはまるわけではないということをわかっていただきたいのですが、核家族で、近所に知り合いのいない夫婦の場合、産後うつに移行する可能性は非常に高いといえます。

産後1ヶ月はお母さんは外出はなかなかできません。さらにストレスはたまります。なので、この時期は少々、手抜きをしてください。今は産後のお母さんの家事をしてくれるサービスもあります。

そして、産後はどんな人であっても多少は精神的にナーバスになるということを踏まえて、妊娠中から、パートナーと産後のことについて話し合っておくのもいいかもしれません。というより、必要だと思っています。病院での生活と家での生活はまったく違います。

妊娠中はお産のことで頭がいっぱいになってしまいがちですが、一度は産後の生活について話しあわれたほうがよいと思います。

今は、相談窓口はたくさんあります。産後の保健センターの訪問はぜひ、活用してください。そして、しんどくなったらとりあえず、誰かに助けを求める、それが大事だと思います。思いつかなければ産んだ病院に電話してみてください。話は聞いてもらえると思います。私の失敗は誰にも相談できなかったことだと思います。

育児、家事が女性の仕事ではなく、夫婦ともにすることであるという考えが浸透してくれれば、核家族でも随分違うと思うのですが・・・

そして、助産師である私たちも、産後の生活のことをもっと気にしながら、退院後の生活のお話をしていかなければいけないと考えています。個人により事情は異なりますから。

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